バイラルループ

最近ネットでよく叫ばれているのは、口コミ力である。ツイッターやフェースブック、mixiなどのSNSがひとつの社会的な役割を担うようになり、従来であれば人と人とが実際に会話することで拡がっていた口コミが、ネット社会では電子の力を借りることで瞬時に口コミが拡がります。ネットでひとたび口コミ力が拡がると、まるで伝染病のように蔓延します。これからのウェブのスタンダードは当分の間SNS的なコミュニティーを中心として展開されるでしょう。

口コミ力のレバレッジを利用している典型といえるものには例えばグルーポン系サイトがあげられます。グルーポン系サイトとは、格安のクーポンを24時間といった一定期間内に枚数を限定して発行するサイトです。こういったサイトには必ずツイッターやフェースブックのボタンが付いていて、クーポンを購入した人は規定枚数に到達しないと、クーポンが発行されないので、ツイッターなどで噂をひろめようとします。そうすると、そのつぶやきを見たフォロワーがークーポンを買い、またツイッターでつぶやく・・・といったバイラル効果のスパイラルを見事に利用しています。

また最近ではよくあちらこちらのサイトでフェースブックの「いいね」ボタンやmixiの「check」ボタンを見かけます。mixiなどではCMでも「mixiチェックしよう!」的な事を流していますが、私の父親なんかが見たらさっぱりワケわからないと思います。こういったボタンを押すことで、SNS内の友人にこの商品が良かったとかここのサイト面白かったということを簡単に知らせることができます。

例えば、ある商品を買おうと思った時に従来であればGoogle検索で探し、その商品を販売している会社が出している宣伝を見て判断していました。こういった行動はユーザーにとっては、本当にその商品が良いかどうか眉につばを付けてかからなければなりませんでしたが、SNSでは「ITに詳しいK君が気に入ってるパソコンだからきっといいんだ」という信頼が得られます。これは従来のウェブではなかったことであり、仮想な社会でありながらも現実に近いそして瞬時につながる社会です。だれがどのサイトを気に入ったとかどの商品を気に入ったとかはGoogleからしてみれば喉から手が出るほど欲しい情報ですが、ここはGoogleも立ち入ることができないフェースブックやmixiの独壇場であります。だからこそmixiはお父ちゃんやお母ちゃんには理解してもらえないものをCMで流して流行らそうと躍起になってるんですよね。この行動が拡がれば、SNSの会社は社会行動の情報を一気に握ることができるのですから。お金に換算すると莫大な価値になります。その一端をユーザーが担うというのも何だか変な感じはしますが。

ネットの口コミ力が拡がっていくには、バイラル係数というのがひとつのカギでもあります。SNSのような会員制サイトであればバイラル係数は1.0以上でなければ拡がらないということになります。要するに1人が会員になると、その会員が友達なりに教えて1人以上の会員を連れてくれば、ネット上で拡散していくということになります。私はゲームは好きでないのですが、モバゲーというゲームSNSが最近急成長しているということで、どんな仕組みになっているのかを探るため、最近会員になってみました。ゲームができるサイトにmixiとほぼ同じようなSNSをのっけただけなのですが、やはりゲーマーにしてみれば、ゲーマー同士のつながりが持てるのは魅力なのだと思いました。そして、やはりそこにもバイラル係数を上げる仕組みがきっちりと備わっていました。「友達を紹介したら300ポイント」ボタンです。そこから複数人の友達のメールアドレスを入力できるようになっていて、紹介人数×300ポイントをもらってゲーム内で使えるようになっています。ユーザーはポイントをもらえる、SNS運営者はユーザーを増やせるのWin-Winになっていますが、やはりユーザーが一端を担ってるのですね。

ネット草創期の口コミでの面白い例では、今ではマイクロソフトが買収してしまったウェブメールの『Hot mail』の例があります。ある若者2人が『Hot mail』を開発したのですが、いろんなエンジェルに話を持ちかけるもなかなか相手にされません。ところが、あるエンジェル(投資家)が『Hot mail』に興味を示し資金提供を受けられるようになりました。そして、いざ『Hot mail』を一般公開すると噂はたちどころに拡がりをみせます。そのエンジェルは当初から『Hot mail』のメール文章の最後に自動的に、「ウェブメールはHot mail」という宣伝のリンクを入れようと提案していましたが、開発者である若者2人は断固としてこの案に反対していました。エンジェルのあまりにものしつこさに負けて、とうとうその一行を入れることになりました。すると、今までとは格段に違う拡がりをみせ、若者2人とエンジェルは一気に富豪へとのし上がったのです。ほんのわずかな、バイラル効果を忍ばせることでバイラル係数は一気に上がってしまうという例です。まあ、ここのキーポイントは一行忍ばせるというより、人間素直でなければならないということかもしれないですが(笑)

バイラルの仕組みを巧妙に取り入れたとしても、大事なことは、結局はベースとなるウェブの仕組みが面白いとか、今までにない特異性みたいなのがなければ拡がりを見せないというのをよく心しておかなければなりません。そのためにも、世界中の人が、何か面白いサイトは考え出せないだろうかと苦悩しているのも事実です。私を含めて・・・

口コミの力に関しては、『バイラル・ループ あっという間の急成長にはワケがある』という本
でいろんな実例を交えながら知ることができるので、是非ご一読を!

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